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2024.10.29

【総説】バイオマテリアル学会誌に掲載

セルロースナノファイバによる体内の細胞外小胞解析を行なった内容(Nat. Commun., 2024; 横井先生@名古屋大との共同研究)にて総説を執筆してます。

総説概略
細胞外小胞は疾患メカニズムに関与することが判明しており、早期検出の有望なターゲットとして注目されています。細胞外小胞の分泌源と内包物の相関解析は重要な課題であり、そのためには組織近傍の少量の体液から位置選択的に細胞外小胞を回収する技術が必須です。本稿では、セルロースナノファイバーからなるシートを用いて湿潤臓器の表面から簡便かつ高効率に細胞外小胞を回収する方法を紹介します。シートを臓器に直接貼付することで、細胞外小胞の位置情報を含んだ解析を行い、細胞外小胞が腫瘍内不均一性を反映することを明らかにしました。本研究はがんの診断や病期評価、治療計画に貢献することが期待されています。

書籍情報
ナノ生体材料を用いた細胞外小胞の位置選択的解析による腫瘍内不均一性の解明
川口彰太・阿尻大雅・安井隆雄
バイオマテリアル-生体材料-, 42巻4号, 330-335 (2024), ISSN 2434-0359

バイオマテリアル ―生体材料―とは
バイオマテリアル ―生体材料―は、日本バイオマテリアル学会が年4回発行している機関誌です。2号連続特集「医歯薬工融合を促進するバイオマテリアル研究の新展開 -シーズ編-」および「医歯薬工融合を促進するバイオマテリアル研究の新展開 -ニーズ編-」の、第一弾となるシーズ編での、臨床研究への進展・実用化が期待されるアカデミアにおける優れた研究シーズ・技術シーズ、として紹介されました。